クリムゾン・プレジャー・ナイト公演後記#2:エリアナさん

②エリアナさん

ポールをどうやって立てるのか?持ち込みをどうするのか?
大きさはどれくらいなのか?

全く分からない私でしたが、
2月に告知を始めて、
3月にはエリアナさんが直接下見に来てくださり、
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4月にはエリアナさんとmecavさんの「ポールをどり」を京都へ見に行き、
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5月初めには10日間、エリアナさんと寝食を共にし、コラボダンスの完成と練習、衣装の作成をし、
(↓おいしいスパニッシュオムレツを作ってもらったりT T)
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22日、鹿児島市のフレンズFMへ二人で出演し、
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23日、ショー、
そして24日、ワークショップ。

という流れになりました。

16年前に同僚として知り合い、
いつの間にか仲良くなって、
ピアスの穴をあけてくれたのも彼女でした。

何回も開けてはつぶしてしまっていたピアスの穴。
開けてもらったとき、これは絶対にずっと開けておこう、と心に決めたことを覚えてます。

だから、今回の衣装に合わせたピアスも
二人分、自分で作りました。
どうしても、一緒に着けたかったから。あのときの御礼も込めて。

不器用だから、上手く作れるかわからなくて、出来上がるまで、
黙っていたけれど、衣装の飾りを二人で決めた時から、そうしようと思ってました。

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いつもぼんやりしてて、何をするにも遅くって、
慎重になりすぎては、なかなか動けなくて、いつも失敗。
動き出したらやけにパワーはあるけど、
すぐに息切れ、、、

そんな、困った私なのに、長く、そして優しく、ときにメッチャ厳しく!
つきあってくれているエリアナさんです。

そしてなにより、
友人としてだけでなく、ダンサーとしても、
彼女自身が描いた美しく心ときめく世界をポールダンスで表現しようとしていること、
舞台に立つまで、立ったあとの全ての瞬間に渡って、
徹底して関わる人たちが気持ちよくいられることを考えて行動していること、
それらに顕われる彼女の人としてのあり方を私は尊敬しています。

来てくれて、一緒に踊ることが出来て、
本当に本当に嬉しかったです!
鹿児島の皆さんにも見ていただけて、こんなに幸福なことはありません。

また、彼女とmecavさんが主宰しているエンターテイメント集団「ポールをどり」。
京都と言えば、「都をどり」「鴨川をどり」「北野をどり」などが有名です。
新しくも異国の踊りでもあるポールダンスを京都という地域でプロとして志し高く見せていきたい、
そういう想いを感じられる、ネーミング。
彼女たちのミーティングにも少し居合わせて、彼女たちの真剣な姿、目指すものにも共感しました。

これからも、京都と鹿児島と遠く離れていますが、応援して行きたいです。

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時を経て、多くの方のお力を借りながら、一緒に舞台を作り上げたこと、言葉にできません。
これからも、どうぞ、よろしくお願いします!

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そして、空港から飛び立つ彼女の飛行機を見送りながら思いました。
かつて想い描いていた自分の姿。
鹿児島から飛び出して、もっとたくさんの地で踊りをお見せできる。
お伝えしたいことを整理して、世界中の人に届けられる。
どこにいても、どんな場所でも、身体一つで出来ることを為せる自分。

彼女が思い出させてくれました。

スピードあげて、取り組みます!

クリムゾン・プレジャー・ナイト公演後記#1:タイトルについて

今回のポールダンスとベリーダンスのコラボショー。
たくさんの裏話があり、自分の為にも書いておきます。

①題名
タイトルは、最初、鹿児島の皆さんに衝撃的な夜をお届けしたいね!との思いを込めて、「衝撃的な夜」を訳して「Traumatic Night」にしようと、話しが出てました。冗談まじりで思いついたのですが、真面目に「Trauma」を調べて行くうちに、これは喜ばしいネーミングではないと気がつき、「歓喜の夜」=「Pleasure Night」にしようと考えました。
それに何かもうひとつ言葉を付けたい、、、となんとなしに「プレジャーナイト」と検索すると、「バミリオンプレジャーナイト」と結果が出てきました!

ああ、懐かしの「バミリオンプレジャーナイト」!
それは、石橋義正氏がディレクターをつとめたテレビ番組です。彼が監督した「オー!マイキー!」も何度となく見ました。

OH_Mikey

石橋氏を知ったのは、京都で学生だった頃、どこかで見つけた「狂わせたいの」という映像作品のフライヤーからでした。その洗練されたシュールでナンセンスなエロスに心奪われて、ずっと壁に貼っていました。
狂わせたいの
その後、会社に勤め出してから、彼が「KyupiKyupiGrandKayoShow CABAROTICA」という舞台を上演すると知り、一人で出かけました。
KyupiKyupiCABAROTICA
京都三条のアートコンプレックス1928で催された、それはそれは、官能的でアーティスティック、奇想天外。豪華な生演奏に、会場の壁面を上手く利用した映像美、そしてとりもなおさず、肉体の美、美、美。
徹頭徹尾、彼の美学に彩られた空間、演者、スタッフ。
感動の夜でした。私は興奮と感動で酩酊した頭と身体をふらふらと支えながら、会場をあとにしたことを忘れられません。
(この日から、いつかこのアートコンプレックスの舞台に立ちたいという想いが芽生えました。今もその気持ちに変わりはありません。しかし、現在は常設のショーがあるようですので、まだまだ準備する時間があるというもの^^)

その夜のことと、エリアナさんのイメージを総合して考えて、今回のショーを「クリムゾン・プレジャー・ナイト」と考えが至りました。
エリアナさんのポールダンスがまさに、官能的でアーティスティック、奇想天外、そして彼女の美学は常に彼女を彩っている、長年友人であることからもそれはずっと感じられてきたことでした。

当時、「バミリオン」の意味を考えたことはありませんでしたが、これは「朱色」ということでしたので、私が選んだ彼女の写真で彼女が身につけていた真っ赤な衣装にちなんで、「クリムゾン」=「深紅」というのはどうだろう、とエリアナさんに電話をかけました。
すると、彼女は、「それはいいね!私がいつも部屋でかけてるCDのタイトルは”Crimson”よ!」と。
偶然のことに驚きましたが、まさに、決定打です。
こうして、ショーのタイトルは「クリムゾン・プレジャー・ナイト」となりました。

この名をつけた後、京都へコンテンポラリーダンスのWSを受けに行く機会があり、エリアナさんの「ポールをどり」の相方であるmecavさんのパフォーマンスを見に、「パラソフィア」というアートイベントを開催している、京都市美術館へ参りました。
mecav

展示を見るつもりはなかったのですが、ふとアーティストリストを見ると「石橋義正」の文字がありました。私は居ても立ってもいられなくなり、パフォーマンス開演の30分前でしたが、チケットを買い、彼の新しい作品をみるべく、美術館へ駆け込みました。(パフォーマンスは美術館の外で行われていたもので。)
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ほぼ一番奥と言っていいほどの最後の方の展示でしたが、見ることが出来、京都を離れてから12年の空白を埋めていくような、なにか不思議な感覚とかつて自分が心動かされるものを作っていた人が更に進化していることに深く深く感動しました。

「クリムゾン・プレジャー・ナイト」。
エリアナさんを思って付けたタイトルが、思いがけず、京都での様々な経験を想起する導火線となりました。
今後、このタイトルを使用するかどうかはまだ分かりませんが、今回のイベントの大切なキーとなったことは間違いありません。

まどか