及川景子先生WSに参加しました/夏の大感謝慰労祭@熊本〜その1〜

8月7日、朝5時半起床、熊本へ向けて出発しました。

及川景子先生が夏の大感謝慰労祭@熊本、と題して、
毎年、先生を招聘されている上村葉子ベリーダンスグループの皆さんを
労いにエジプト音楽やベリーダンスについてのお話をされるとのことで、
やってきました。

内容は
「黄金時代、伝説のダンサーたちと名シーン」と
名曲「Enta Omri(あなたは私の人生)」の解説、
の2コマでした。

東京や大阪、福岡等、都市圏もしくは他のベリーダンスが盛んな地域では
既に開催された内容だったかと思いますが、
私にとっては初めての講義で、楽しみにしていました。

現代のベリーダンスの形が出来上がって来た歴史や
ダンサーたちの姿を追い、
サミア・ガマル、タヒア・カリオカなど
今まで見て知ってはいたものの、その背景までは知らずにいたダンサーたちのエピソードを聴くことで、映像を見る目がまた変わってくるのを自分でも感じました。

『Enta Omri』は、ベリーダンスを始めた当初からずっと耳にして来た有名曲です。
及川先生の解説はドラマチックで、哲学のようなところまで
深く掘り下げて、曲の世界に招いてくださいます。

前奏6分以上、
各歌詞6~7分が4番まであり、
そこに更に楽器の魅力をたっぷりと聴かせる間奏が組み込まれ、
全体で40分を優に越す大曲です。

アルフレイラワレイラとも似ているのですが、
1番で愛を語り、
2番でその愛を知る前の自分の虚無について語り、
3番、4番と愛の歓びを展開していきます。

講義でも語られていましたが、
アラブの言葉の魔力というのか、詩的な表現が、
それぞれの心に深く刻まれた、感情的体験を呼び覚ますかのような世界に
包まれます。

この歌詞を書いた人は、私の何かを知っているのではないか、
誰もがそう感じるのではないでしょうか。

そしてこれらが、現代のアラブでも、
ライブで演奏されると、お客さんが一緒に歌い出し、
楽しいノリになるというのが、また面白いですね。

ダンスは、音楽の美しさを表現したり、
この意味を深く追求したりと、
踊り手によって変わってきます。

それもまた踊りを見る楽しみとなりますね。

この日に紹介された曲の中で印象的だったのは、
1コマ目のダンサーについての講義のときに出て来た、
『Taht El Shibak(窓の下で)』です。

タヒア・カリオカの踊り。
静かに胸の内に秘めた情熱が真珠の玉になって、
身体から溢れてぽろぽろとこぼれ落ちるように感じられます。

話しの流れは分かりませんが、成熟した女性の役柄に見えるタヒアが
かつての恋の想い出を慈しんで踊っているように見えます。

過ぎし日の生真面目で、至らなくて、気持ちを言葉にすることが出来ずにいた、、、
会いたい恋しい人の住む部屋の窓の明かりを見つめていた、、、
若かりし自分の姿に重なるようで、
そう遠くないうちに、踊ってみたい曲となりました。

及川先生の講義では音楽を感じる力を養わせていただいているように思います。
解釈は様々かもしれませんが、知識を得るだけでなく、
深く心の奥へ向かっていくレクチャーに
いつも感銘を受けます。

また及川先生の講義を鹿児島でもお願いしたいです。
そのときは、県外からでもどなたでも、よかったらぜひおいで下さい。

及川景子先生WSに参加しました/夏の大感謝慰労祭@熊本〜その2〜

madoka