台風って、なにかどうしようもなく美しいんです。
9月19日月曜日、敬老の日。
お休みで浮かれる人々を尻目に、
台風は鹿児島に直撃の進路をたどります。
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食料や暇つぶしの材料を手に入れた人々は、
街から気配を消し、
静かな夜。
嵐の前。
夜中12時に、鹿児島市へ直撃の予報。
今回の台風の名前は「マラカス」だって。
シャカシャカシャカ。と。
Facebookでは暢気に盛り上がる。
それを受けて、
東京に住む妹へLine。
「今度の台風の名前って”マラカス”なんだって、面白いね!」
とおくると、
「え!マスカラ」
と返答。
マスカラ、、、たぶんそっちの方がなさそう。
斜め上行くわぁ、勝てない。
そうこうしているうちに、
風がゴウゴウうなりはじめる。
窓に雨が打ち付けるのが見える。
遠くの街灯の光が、荒れ狂う雨粒に乱反射して
ぼんやりと広がっている。
不思議な光景。
ひとしきり、嵐にはしゃぎ、
安全確保を確認したら、
眠気に襲われる。
目が覚めると、
綺麗な朝。
空が青く高く、高く。
秋の空に。
どうしようもなく、美しい。
被害はないか、テレビのリモコンを取り上げ、
ニュースを見る。
やはり、そうは言っても
あちこちで台風の影響。
美しいとも言ってはいられない。
外に出て、
向かいのビルの庭木が、根元からごっそりと倒れているのを
見つけても、
それでもどうしようもなく、
洗われた街を見上げるのである。
madoka